僕はバイクでほぼ車両の走っていないニントゥアン省の道に入った。巨大な岩が目立つ大地。独特な美しい景色。快適な海岸線ドライブが出来そう。
サーフポイントが無いか、波はどうか、崖下を眺めながら走る。時折停止し岩を登り波と地形を確認する。周囲には誰もいない。しばらくの間、こんな崖っぷちの気持ち良い道が続く。しかし昨日に引続きの長距離ドライブで既に身体の動きが悪い。当分の間バイクに乗りたく無い気分。
黒山羊。崖っぷちから海を眺め、鳴いている。その位置、想像力の有る人間だと怖くて行けない。
深そうな海。もし波が有っても崖を下って海に入るまでが大変。もし足を怪我したら自力では帰って来れないだろう。そして、やっとこの道が終わった。砂丘が見え道路上に強風が吹き付ける。バイクごと吹っ飛びそうだ。
ニントゥアン省に広大な砂丘地域が出現。地形的にこの辺りは風が吹きやすく乾いた土地で、きっと雨も少ないと思う。このように、場所によって大きく環境が異なるベトナム海岸線。特に海岸線且つ標高が高い場所はそれが顕著。そそり立った山と海の掛け合わせが独特な自然環境を作るのだろう。
遠くコーラルリーフ沿いに割れる波が見える。近くで見たいけど体力の限界なので今日は遠目からのみ。
風力発電とソーラー発電所があった。ここは風が吹きやすく、年間を通して太陽光の確保し易い場所という証だろう。
波は遠過ぎてよくわからない。岸からポイントまでの距離が遠く、もし波乗り出来てもパドルアウトが長そう。
岩が顔を出している。この辺りはコーラルリーフだと思うけど海水が綺麗な感じには見えない。何故だろう。
大きなサンゴ礁地帯が広がる。しかし、どこも海が黒く見える。
歩道を占拠し小海老を干す漁師関係者。日本だとこれは田舎でも問題になる。ベトナムのルールは有るのか無いのかすらよく分からない事が多い。ルールに縛られる事もなければ縛る事も難しい感じ。
僕はさらに走りファンラン=タップチャムの街を超え本日の目的地へ到着。マジ、超疲れた。身体が上手く動かない。そして事前に電話予約しておいた宿にチェックイン。
早速、水周りが不調。シャワーを浴びたいが熱湯のみで水が出ない。疲労爆発。無言。
修理後、今度はお湯が出ない。仕方なく僕らは3日間水シャワーで過ごす。この前日からの水シャワーと合わせると4日連続の水シャワー。辛い。
ファンラン4日目、宿は水シャワーしか出ない。ベトナムで言うお湯はかなりぬるい事も有あるが、この宿主の感覚はそうでもなさそう。そしてここでお湯が出ない原因が分かる。問題は節水シャワーヘッドだった。節水モデルのシャワーヘッドを使っているホテルやニャギーは多いけど、その節水シャワーヘッドの絞り具合とベトナムのシステムが合っていない。試しにシャワーヘッドを外してみる。すると、お湯が出た。しかし頭上まで持ち上げるとお湯は出るけど水圧が弱く使えない。仕方なく下の蛇口側からお湯を出し、タイル床に座り込んで蛇口シャワーをする事にした。これで水シャワー問題は解決。
この海岸近くのニャギー、チェックイン時から気になっていたけど驚くほどハエが多い。30秒ドアを開けると10匹のハエが部屋に入る。ドアの外には常に10から100匹ほどのハエが飛んでいる。原因は農家の肥料かもしれない。
ある朝、部屋のドアを開け外に出ると、大量のハエや虫がドア付近で死んでいた。その夕方も。翌日も。どうやら宿側で朝夕と殺虫剤を撒いているようだった。
僕らはここニントゥアンで、水シャワー生活でなのか、旅のストレスや疲労なのか、あのハエ達のように弱ったのか、重度の呼吸器系の風邪を引いた。
長引く症状の中でもサーフポイントチェックだけはやらないとならない。9月のファンランは暑いけどサーフポイント探しへ行こう。
ウネリは弱く小さい。コーラルリーフポイント。
沖の方で割れる小波。コーラルリーフポイントでブレイクポイントは遠い。
ニントゥアン省、ローカル市場前。
大規模な土地で塩の生産をしている、ファンラン=タップチャム。
立ち入りが難しい場所も有るけど出来るだけの海岸線を見て周る。
ショートボードで乗れる波とは程遠い。
今日も強めのオンショアが吹く。
野生の山羊なのか、家畜の放し飼い山羊なのか、区別が付かないくらい山羊がそこら中を自由に散歩している。
高台から海を眺める。波が割れるブレイクポイントまでの距離がパドルで行くにしてもリーフブーツを履いて珊瑚礁を歩くにしても、気軽に波乗りって感じでは無さそう。アウターコーラルリーフのサーフポイントで1人サーフは危険。
なんか今ひとつ美しくない。写真では分かりにくいけど至る所に捨ててあるゴミのせいだろう。ここまでのベトナム旅でゴミがない場所は無かった。
潮の満ち引きで出来た珊瑚礁美術。
岬に残る戦争の跡。
中は人が入れるほどの空間があり、それぞれが地下道で結ばれていた痕跡が有る。
人が住んで居ない地域にも散乱するゴミと白化死滅したコーラルリーフ。
岬の先端に打ち寄せる波。岩場には発砲スチロールゴミが。
最近では大きめな波。オンショア胸肩。
漁港に碇泊するベトナム漁船。そこそこの規模が有る。
この辺り全体は珊瑚礁に囲まれているので岸まで波が届く場所がほぼ無い。つまり仮に波乗り出来たとしても、ほぼ全てが100メートル以上沖のコーラルリーフポイント。
珊瑚礁が比較的生きていると思われる場所は海水が綺麗だった。
カイトサーファー発見。
ファンランで僕のようなサーファーはまだ見かけ無いけどカイトサーファーは何人か見かけた。これから冬のオンショアシーズンに入れば沢山のカイトサーファーで賑わいそう。この辺りはオンショアが吹きやすく風が強い。なのでサーフィンにはさほど適さなそうだけどカイトサーフィンには良さそう。
ベトナムの田舎旅は、快適な場面より不快な場面の方が多い。それでも旅を続ける理由は貸切りサーフィンライフがしたいから。波質こそそこそこだけど、いつも無人ブレイクが待っている。僕のモチベーションはそこに有る。
宿隣の畑ではパクチーが芽を出した。高低差を利用した水路で水やりをする。育つスピードが真夏の雑草並みに早い。
ど田舎でこのような宿ニャチョーを探すのは大変。Google Map で見つけたここは情報が少ないながらも電話して予約が取れた。周囲数Kmにまとまな食事を摂れる店もなく、この宿の食事が頼りになった。ローカル価格とまではいかないが、安く美味しい料理に満足した。
パッションフルーツソースの焼き魚。うまい。
バーベキュー。うまい。飲み物も美味しかった。
(2019年9月サーフトリップ記録。ベトナム ニントゥアン省ファンラン=タップチャム。)