僕は今ベトナム海岸線を旅している。目的はサーファーの居ない海で貸切りサーフィンをするため。その為に海沿いをくまなく見ていきサーフポイントを開拓していく。ベトナムでは既に知られたサーフポイントも有るがそれは一部で、ほとんどサーフィン情報の無い国。サーファーも限られた場所にしか居ない。1年を通して波乗りするベトナム人ローカルサーファーはまだかなり少数。ベトナムのサーフィンはまだ始まったばかりでまだ世界に知られていない。
そして、この旅が始まって約1ヶ月。ムイネーからの通りすがりでチーコン海岸という場所へ立ち寄る。僕はスクーターでそのチーコンビーチへの脇道を入って行く。そして海が見えた。波はどうか。
現れたのはゴミの山。先の方を見るとこのゴミ山が約1kmほど続いている。積まれたゴミの山脈は、高さの限界が来るとビーチへと崩れ落ちる。そして、ビーチはゴミの絨毯と化す。波よりもゴミに目がいってしまう。

僕はゴミの山脈を右手に、先に見える半島方面へ進んでいく。ここは異常にゴミの多い海岸。僕は普通では無い感覚を察知した。しばらく走りバイクを停め、ゴミの山を越えてビーチを見てみる。

海岸はゴミで埋め尽くされて砂浜が見えない。波打ち際に見える砂と海水は黒い。このような光景を見たのは初めて。僕はこの状況が掴めない。ここに居ていいのか、撮影していいのか、見てはいけないものを見てしまった感じだ。

海へゴミを捨てに来る人と拾いに来る人。ゴミを食べる牛。この場所はこの土地のゴミ箱として利用されている。

ビーチにぎっしりと敷き詰まったごみ。波や干満差によってごみは沖へ流れていく。それにしても大量。

ここはいわゆる漁師町で、ビーチが超汚い事以外は他の田舎と大差無い気もする。しかしその汚さ具合が半端じゃ無い。この海岸だけ突き抜けてゴミだらけ。

この海岸へ流れ込む川。発泡スチロールとプラスチックゴミが目立つ。ビーチの汚さを後押ししているのは間違いない。水は黒い。

少し上流も状況は同じ。川や海岸へごみを捨てるのは簡単な行為。この地の習慣なのだろうか。そして、ごみを投棄した結果はごみが海へ流れて消えた、ただそうゆう事なんだと思う。この後、僕は何故こうなのかを知る為に、迷路のような細道の半島をバイクで流して人々の様子を見た。
後日、ベトナム人にここのビーチを知っているか尋ねた。その人は知っていると YouTube で VTV 動画を見せた。ここはベトナムテレビ局取材済みの、知る人ぞ知る場所だった。
(2019年8月サーフトリップ記録。ベトナムビントゥアン省トゥイフン区チーコン。)